マリンバを始めたばかりの頃バイオリンの名曲。オーケストラの名曲。ピアノの名曲etcを2本マレットでメロディーを担当。ピアノが伴奏というスタイルのアレンジ曲をたくさん弾いてきました。知らず知らずのうちに身についたそれらのレパートリーは、今ジャンルを超えた作品に取り組む中で大きく役に立っています。
そしてマリンバを専門的に勉強し始めると今度はマリンバのオリジナル作品と出会います。1980年代以降の作品が多く、いわゆる「現代曲」と言われる曲。ここではテクニックとマリンバに合う響き(和声)、音形を学びました。マリンバの現代オリジナル作品は聴く側に立つと少々息苦しさがありますが、演奏する側に立つと本当に楽しいものです。
そして今自身で作曲、編曲した作品を多く演奏します。クラッシック音楽で培った音楽の知識、音、間、細部にまでこだわる音作りが土台となっています。その土台に固執することなく、一度全てを捨て、ロック、ジャズ、レゲエ、1コードファンク、エレクトロニカ、Jポップ、アンビエント、ノイズ、時代を超えた名曲を狂ったように聞きました。プレーヤーの立場から表現したいものへ。「音符」を弾くというよりは「空間を創る」方向へレパートリーが変化していきました。(今年のテーマが「サウンドスケープ」)それはまるで美術作品を制作するよう。
童謡一つアレンジするにしてもいく通りものアイディアが浮かんできます。その中から今回の聞いてくださるお客さま、会場の雰囲気。主旨を考慮し、なおかつマリンバの魅力が十分に発揮出来るように仕上げていきます。ピアノの楽譜やコード譜を参考にする事が多いのですが、最後は自分の耳や経験が頼りの作業になります。どんな曲に仕上げたいのか。そのアイディアを得るために日々アンテナを張り続けています。
マリンバは比較的2度9度などぶつかる響きが美しく鳴ります。3度よりは5度。和声の理論には収まらないところもまた魅力の一つでしょうか。